[メゾン・ルイ・ジャド](ルイ・ジャド社)のワインやラベルは、
多くの方が一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
この生産者は、ブルゴーニュでは二番目の規模を誇る、
【ネゴシアン・エルヴール(ブドウを仕入れそれを醸造・販売する)】兼
【ドメーヌ(自己所有の畑で栽培したブドウを醸造・販売)】として、
フランス国内のみならず世界中に知られています。
その[ルイ・ジャド社]が長年に亘りトップ生産者としての評価を維持しているのは、
何よりも経営哲学によるものでしょう。
何故なら、彼等は
『自社のワインによってブルゴーニュ・ワイン全体の印象や評価が決まってしまう』
との自負心を強く持ち、日々ワイン造りに専念しているからなのです。
それを端的に表すジャド社の生産者哲学を紹介しますと、
『ブドウ畑は我々の持ち物ではありません。我々はただ、世話をしているだけです。』
これがワイン造りにおける[ルイ・ジャド社]の基本的な思想。
もう少し付け加えますと、
『ジャドにとっての進歩、それは、テロワールの特徴をワインに表現するための、
より良いすべを見出すこと以外にありません。』
『我々のような現存する者の役割とは土地をしっかりと守ることです。
大切な自然の恵みを手にしていることに感謝し、
後世にこの繁栄を伝えていくこと、
それが我々の望みであり、義務だと考えています。』
『ブルゴーニュのアペラシオンに貴賎はなく、全てが大切なテロワールなのです。』
と、以上のように生産者としての、
土地や畑、ブドウ栽培とのかかわり方を謙虚に語っています。
このようなジャド流哲学から造られた今回ご紹介のシャブリは、
ブルゴーニュ北端シャブリ地区ならではのシャルドネが本来持つ個性を、
存分に見せてくれます。
その個性は土からくるもので、
ここの土壌は地域特有の貝殻の化石を多く含む、
【キンメリジャン】と呼ばれる石灰質の泥灰土質です。
この真っ白な石灰の地中にはたっぷりとミネラルがあり、
ブドウの樹がその成分を吸収した結果、ミネラル感豊富で、
キリッと引き締まった爽快感溢れる辛口白ワインが出来るのです。
また、ブルゴーニュの一番北に位置するため、
気候的にブドウに上質の酸が残ることも特徴です。
キリッと引き締まるミネラルと酸をボトルに残すため、
他の地区の白ワインに使用するオークの樽を、醗酵と熟成に使用しません。
ステンレスタンクの使用により、
シャブリならではの旨味をワインに表現しているのです。
2015年は、現時点で専門誌等の評価が出ていないものの、
ブルゴーニュ委員会が、『熟成により、現在の張りが溶け込み、
シャブリの典型的なヴィンテージの一つとなるであろう』と自信満々の解説をした、
前年2014年を超越とされる世紀のヴィンテージ!!。
今回、改めて試飲してみました。
『バランスの良さとポテンシャルの高さは、まさに例外的グレート・ヴィンテージ!!』
『まさに王道を行くシャブリのように、近年の甘みの強いシャブリとは一線を画す、
非常にクリアーな色調とミネラル感が特徴的です。
また、グレープフルーツなどの柑橘系の果実の風味に、
強すぎないスッキリとした酸もシャブリらしさを与えています。
やや高めの温度で味わうと甘みも感じ、
これは抜栓後時間が経過してからも味わうことが出来る旨味です。
牡蠣などの海の幸にはもちろん、豚肉のハムやソーセージにも相性が良く、
さすが産地を熟知した生産者のクラッシックな1本です。
皆様のご家庭の食卓にはうってつけでしょう。』
昔から『牡蠣にシャブリ』とよく耳にします。
それぞれ、海産物と白ワインの代名詞として、海のない地域に
住む欧米人にも分かるよう提言したのではないでしょうか。
でも、島国日本には全国津々浦々に『お国自慢』の海の幸があるかと思います。
今回ご紹介のシャブリは、そんな地元やふるさと自慢の
旨いものと、是非、ご一緒にお愉しみいただきたい1本。
海産物を多く食する日本人ならではの幸福感を演出してくれるでしょう。
ルイ・ジャド・シャブリ・セリエ・ド・ラ・サブリエール2015
【白ワイン】【ブルゴーニュ】【フランス】