オーストリアワインというと、今、現地でも一大ブーム
になっているのが、【ゲミシュターザッツ(混植混醸)】
によるワインです。
ウィーンを中心にフィロキセラ災害以前の伝統的なワイ
ン造りを見直そうという動きです。
かつては品種の個性というよりは土壌を含めたテロワー
ルの個性が重視されていました。そのため、いいワイン
であればあるほど、品種の特徴よりはテロワールの特徴
が表れていたものです。
その頃のワインを再現したかのようなワインの原点的な
スタイルがこの、
[イングリット・グロイス ゲミシュターサッツ
ブライテンビュッフトルフ 2016]
なんと、20種類ものブドウ品種が50年間、混植されてい
るということで驚きです!!(※年によって使用される
葡萄の種類は多少変わります。)
このワインは明らかに他のワインと違うものを感じました。
造り手のイングリットさんに話を伺うと、
『20種類ものブドウ品種を祖母が50年間大事に育ててい
てたまたまワインにしてみたらすごく美味しかった』
というから驚きです。
まさに祖母の長年のブドウや畑への愛情によって大切に
守られてきた結晶。
2016年のブドウ品種は、
シャルドネ、グリューナー・フェルトリーナー、リース
リング、ヴァイスブルグンダー、ミュラートゥルガウ、
フリューローター・ヴェルトリーナー、ローター・ヴェ
ルトリーナー他20種類の葡萄の混植の中から17種類使用。
それだけの数の多い品種が入っていればふつうはバラバラ
になってしまうところが、なんという一体感でしょう。
まるでひとつの品種であるかのような味わい。
これぞ樹齢50年になるまで共生してきたブドウの成し得る
奇跡。
このワインが造られる畑は、ワインフィアテルのツィアル
ドーフという村の近く、ファンドーフという単一畑です。
樹齢約50年の葡萄の樹は非常に表土が薄い黄土質土壌に、
砂利質と砂質が混ざった土壌に深く根を下ろします。葡萄
の樹齢が古いせいで収量は非常に少ないですが、古樹ゆえ
に葡萄の根は若木よりも地中深く根を下ろし、乾燥した土
地でも灌漑などを必要としません。畑には他にもクオーツ
が混ざっているので、独特のカリッとしたミネラル感のよ
うなものが感じられるそうです。
醸造面ではステンレススティールタンクで醗酵、熟成させ
ます。合理的な範囲でワイン造りに現代的なテクノロジー
は用いますが、過度な人為的な干渉は行わず、自然な熟成
過程が高い品質のワインを生み出します。
深みのある味わいだけど、優しさ、ナチュラルさ、イング
リットさんのような前向きな明るさを感じさせるような
これまでに味わったことがないワインです。
複数品種が入っているので、どれかの品種の個性がどれ
かの食事の個性と合うため、たくさんのお料理が一度で
並ぶご家庭の食卓や和食、中華などにもおススメです。
オーストリアの定番のヴィナーシュニッツェルなどのお肉
料理から、軽めの前菜も、オールマイティなワインです。
迷ったらこの1本があれば、どんなタイプのお料理にも
合わせ易い。
祖母が自分の半生をかけて守り抜いてきたからこそ生まれ
たこの奇跡のワインがこのお値段は本当にお買い得。
可愛いエチケットなので、プレゼントにもおススメ。
本来のワインとはどんなものなのか、美味しいだけじゃな
くて考えさせられる希少なワインです。
イングリット・グロイス ゲミシュターサッツ ブライテンビュッフトルフ 2016
【オーストリア】【白ワイン】【750ml】【ミディアムボディ】【辛口】
「イングリット・グロイス ゲミシュターサッツ ブライテンビュッフトルフ 2016」への2件のフィードバック
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