一般的にロワールワインの熟成白や古酒で定評があるのが、
シュナン・ブラン種の貴腐ブドウから造られる甘口。
ご案内のワインは、それらとはまったく別の個性を持つ
バック・ヴィンテージ熟成白です。
使用ブドウはソーヴィニヨン・ブラン。
しかも遅摘みにして当初から甘口を狙ったものではなく、
通常の辛口白の熟成版。ワインの魅力の一つである、
熟成による変化と旨みを堪能できるワインなんです。
それを可能にしたのが、産地を代表する名人の技。
中央フランスを流れ、フランスを代表する大河ロワール川上流、
「サントル=ヴァル・ド・ロワール」と呼ばれる
銘醸地[サンセール]に本拠を置くのが、
1945年創業の[ジトン・ペール・エ・フィス]というドメーヌ。
一般的に、この産地の生産者はモザイク状に広がる4種類
(実際は15種)の土壌ごとの個性を尊重し、
それらをブレンドし自社ワインの特徴を生み出しています。
しかし、このドメーヌではブルゴーニュの生産者が通常行うように、
その大半を畑や区画ごとにワインを仕込み、
それをそれぞれ別に熟成させ瓶詰めし、
ラベルには畑名を表記しているのです。
つまり、より限定されたテロワールの個性が感じられるワインが造られ、
それを消費者は楽しめるということになります。
そして、ご紹介の[サンセール “レ・ロマン” 2004]
ブドウは、シレックス土壌の西向き斜面にドメーヌが所有する
面積0.80haの畑は、勾配30%で標高260~280メートル。
そこで1965~1972年に植樹したソーヴィニヨン・ブランと、
少量のソーヴィニヨン・ジョーヌを栽培。
それらを機械と手摘みで収穫。
区画別キュヴェの個性を活かすため、酵母も酵素も添加せず、
そして温度コントロールもせずに自然発酵後は、
600リットルのオークの大樽で9~10ヶ月熟成後に瓶詰めしています。
その驚きの味わいたるや、
『好状態、好熟成が一目で分かる、クリアーなゴールドの色調。
香りはソーヴィニヨンの青さではなく、
どちらかというとソーテルヌに通じる、オイリーで複雑な雰囲気で、
白コショウとナッツのニュアンスも。
酸は13年の歳月により適度に落ち着き、味わいも抜栓直後のスパイシーさが
時間の経過によりミツのような甘さに変化し、
複雑な風味になってくるのです。
余韻も上品なこの1本は、
あまり味付けしない魚介のムニエルやグリル、
チーズならシェーヴルよりもブルーチーズと
じっくり楽しみたいものです。』
ジトン・ペール・エ・フィス サンセール “レ・ロマン” 2004
【フランス】【ロワール】【750ml】【辛口】
4,400円(税別)
「ジトン・ペール・エ・フィス サンセール “レ・ロマン” 2004」への3件のフィードバック
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