ラフィットに勝った、マルゴーにも勝った、
そして、ラトゥールにも勝った。
2004年に、ヨーロッパ中の著名なワイン・ジャーナリストを招き、
ベルリンにて行われた[ブラインド・テースティング]において、
ボルドー一級を、なんと3本とも下して、その名声を
ヨーロッパ中に轟かせたチリ・カルト、それが[セーニャ]
そのパネルに参加したヨーロッパ屈指のワインジャーナリストは、
『これまで、安いチリワインはバリューが高いが、高級チリ
ワインは価格が高すぎると思っていた。しかし今回のブライ
ンドテースティングに参加して、すっかり考えをあらためた。
ラトゥールを買うよりも、このワインを6本買ったほうがずっといい』
と絶賛し、バリューワインの分野だけでなく、トップクラスの
高級ワインにおいても、バリューの高さが世界的にも認められる
ようになったのでした。
しかし[セーニャ]の凄さは、ここからでした。
オーナーであるヴィーニャ・エラスリスのチャドウィック氏は、
この結果が、単なる偶然ではなかったことを示すため、それ
以降毎年、年に2回、世界各国で同じ仕様によるブラインド・
テースティングを開催!東京、ニューヨークドバイ、ロンドン、
コペンハーゲンなどなど17ヶ所にて、これまでに21回が開催
されているのです。
そして、その都度、その素晴らしさが確認され、世界中を驚かせ、
もはや「単なる偶然」「奇跡」という人はいなくなりました。
そして、最新2015年ヴィンテージは、ついに【100点満点】を
獲得する歴代最高のグレート・ヴィンテージです。
日本でリリースされたのは、2017年3月はじめ。
先日、2015年ヴィンテージのお披露目があり、2015年のみならず、
1997年、2004年、2009年、2011年の5つのヴィンテージ
を垂直試飲する機会に恵まれましたが、どのヴィンテージも
いい熟成過程をみせ、特に20年が経過する1997年の熟成具合は、
円熟の美味しさを発揮。
それに対し、2015年は若々しさと、パワー、深み、バランス、余韻など、
非の打ち所がなく、今飲んでも非常に美味しいばかりか、
これから20年の熟成が楽しみなワインです。
それが
[セーニャ 2015]
このワインは、当初[ロバート・モンダヴィ]と[エラスリス]の
ジョイント・ベンチャーとして1995年から造られ、すでに20年
目を迎えています。
カリフォルニアのナパの雄、ロバート・モンダヴィが、
[オーパス・ワン]の成功を受け、次に向かった先は、
『ワイン造りの桃源郷』ともよばれる、理想の楽園チリ。
なにしろ、チリは、最適なるテロワールと気候によってフィロ
キセラの害にも遭わず、脈々とワイン造りが受け継がれている
のですが、ここで1860年からブドウ栽培およびワイン造りを行っ
てきたのが、チリの名門[エラスリス]なのです。
モンダヴィは、フランスのボルドー大学を卒業し、チリのワイ
ンを世界に知らしめたいと考えていた、現在の当主であるエリッ
ク・チャドウィック氏と意気投合し、ジョイント・ベンチャー
を発足。当初は[エラスリス]の畑から厳選したブドウを使って
造っていましたが、さらに理想的な畑を探すこと4年という歳月
をかけ、アコンカグア・ヴァレーに[オコア畑]を購入し、
セーニャ専用の畑とします。
[エラスリス]は、他のワイナリーに先駆けて、オーガニック栽
培を行っていたのですが、2005年からは完全なるビオディナミ
栽培に移行し、現在は、完璧なるビオディナミを行うための施
設を完備し、徹底した管理のもとでブドウを栽培、そしてワイ
ンへと仕上げています。
そして、ビオディナミに完全移行した2005年頃から、このワイ
ンの評価も飛躍的に高まり、ロバート・パーカー氏主宰の
[ワイン・アドヴォケート誌]でも90点台後半を連発しています。
また、元ワイン・スペクテーター誌シニア・テースターであり
現在は自身の評価サイトを運営するジェームズ・サック
リング氏は、チリに毎年、足を運び500以上のチリ・ワイン
を試飲し、今やチリ・カルトの評価では欠かせない存在と
なっているのですが、そのサックリング氏は、ついに今
ヴィンテージである2015年に【100点満点】を与え、
『ブラックカラントや石、ブルーベリー、リコリスのローズ
のアロマは驚くほど。イオウや花、香水の香りも。
フルボディで果実の密度は素晴らしく、熟したタンニンがある。
このようにエネルギーとフォーカスのある状態が一分間も
続き、噛み応えのある余韻を残す。複雑で完璧なワインで
硬さのある芳醇さがある。』
とコメントしています。
先日、来日したエドュアルド・チャドウィック氏主催の
2015年ヴィンテージのお披露目会でも、歴代のヴィンテージ
を垂直試飲することができましたが、2015年の洗練された
味わいは、今後の熟成が楽しみな完璧さを持っていました。
これまでのヴィンテージとの違いは、メルローをブレンド
に使っていないこと。また熟成において伝統的な大樽である
フードルでの熟成を12%行っていることで、酸が例年よりも
高く、アルコール度数もわずかに低くなっていることで、
より生き生きと感じられる仕上がりとなっています。
これから20年は充実した味わいが楽しめるお宝です。
世界最高峰クラスの味わいをぜひご堪能ください。
「セーニャ 2015」への3件のフィードバック
コメントは停止中です。