チリの中でも高品質なピノ・ノワールを生産する造り手、
それが、[クロ・デ・フ]。
デカンターが毎年選ぶ、「ワイン業界に影響力をもつ50人」
にこれまで3度も(2009年、2011年、2013年)選出される
世界的に有名な地質学者ペドロ・パッラ氏が、仲間3人と
一緒に立ち上げたブランドで、そのコンセプトは、
「岩、石を感じられるワイン」
今では、ピノ・ノワールだけでなく、
シャルドネやカルメネールなど、そのどれもが高く評価される、
チリの重要な造り手のひとつとなっていますが、
やはり、最初にスタートしたピノ・ノワールのクオリティの高さ
は見逃せません。
今回ご紹介するのは、造り手のスタンダート・ピノ・
ノワールながら、前ヴィンテージまで3年連続パーカー
91点を獲得する安定した味わいが魅力のワイン。
それが
[クロ・デ・フ・スブソルム 2015]
[クロ・デ・フ]は、2009年に4人のワイン業界人によって
設立されたワイナリーで、中心になるのは、地質学者と
して世界的な影響力をもつペドロ・パッラ氏です。
パッラ氏は、地質学者として、衛星写真から得た水分量データや
電気伝導率を使って畝ごとに地質成分の分析を行い、
ブドウ畑を従来よりも細分化して区画を仕切るという手法
を確立した人物です。このやり方は、今ではボルドーのトップ
シャトーやカリフォルニアなどのカルトワイナリーでは、
当然のように採用されています。
今では、世界中の地質コンサルタントとしてひっぱりだこ
ですが、その知識のすべてを駆使して仲間3人とともに
生まれ故郷であるチリで立ち上げたのが[クロ・デ・フ]
というわけ。
世界的に有名な地質学者ということもあり、注目度も高く、
リリースされるや、ロバート・パーカー氏主宰のワイン・
アドヴォケート誌で93点、ジェームス・サックリン氏96点、
ジャンシス・ロビンソン氏やデカンター誌などが[wine of the week]
に選ぶなど、リリース直後から高く評価されています。
パッラ氏は、フランスに長く留学していたので、ピノ・ノワール
に関しては、やはりブルゴーニュのようなエレガンスとミネラル
を感じさせるワインが目標とのこと。
その舞台となる畑が、アコンカグア・ヴァレーにある4ヘクタールの
プカラン畑で、2007年にペドロ・パッラ氏によって畑が設計されました。
この畑では、フランスのジュブレ・シャンベルタンとヴォーヌ・ロマネ
の選び抜かれたクローンを1ヘクタールあたり1万本の密植を行い、
畑を10の小区画に分け管理しています。
3.5億年前の土壌も残る複雑で、太古の物質、海底の砂が混じります。
これらは堆積しその後、硬い石となって畑に残っていきました。
土壌の質は、畑の丘の下の方から上部まで栄養素が少ないのが特徴です。
このワインは、造り手のスタンダード・キュべとして設立まもなく
からつくりつづけられています。
スタンダード・キュべとはいえ、ワインは海由来の石灰岩の特徴を
感じさせるテクスチャーがあり、果実味は複雑。
その味わいは、
『ラズベリーやアメリカンチェリーの香りの中にも土を感じさせる
ニュアンス!!。口の中ではブルーベリーやアメリカンチェリー
などの熟した赤果実とキノコや湿った土があり、芳醇かつ複雑。
しばらく時間をおくと、さらにフレーバーに幅がでて
魅力を増す多面性があり、チキンのワイン煮やラム肉のグリルなど、
少ししっかりとした味わいのお料理とあわせたいワインです。』
2015年の評価はまだありませんが、2012年から2014年までの3ヴィンテージ
連続、パーカー91点を獲得し、そのコスパの高さは「信じられない」と
コメントされる、今、チリで最もホットなピノ・ノワールといえるかも
しれません。