パリから高速道路でブルゴーニュ地方の「コート・ドール」を訪れると、
最初に迎えてくれるのが美しい「サヴィニィ ・レ・ボーヌ村」。
谷あいに静かに佇むその景観は、ブルゴーニュ随一と言っても過言ではないでしょう。
そんな[サヴィニィ・レ・ボーヌ]のワイン生産量は、
コート・ド・ボーヌの中でも[ボーヌ]と[ポマール]に次ぐ3番目の規模。
しかしながら、グラン・クリュ(特級畑)がないためか何となく地味な存在で、
また、かなりの過小評価。
でも別な観点では、ほぼ同品質でも価格が安くお買い得になるケースが多く、
掘り出し物に当たる確率も高いということ。
その点については、
あの世界的評論家「ロバート・パーカ ーさん」が、
『結論としてサヴィニィ・レ・ボーヌは、
適正価格でしっかりした赤白のブルゴーニュを提供するという
難題に応えられるワインと位置づけるのが正解に近い』 と、
そのコスト・パフォーマンスは、抜け目ない愛好家や消費者が見逃さない存在としています。
ご紹介の[サヴィニィ・レ・ボーヌ 2008]はそれを実感できる1本。
しかも、ブルゴーニュの生産者たちがしばしば口にする
『ブルゴーニュは熟成してから飲んで欲しい』
という願いにぴったりの、10年熟成バック・ヴィンテージ。
決して著名ドメーヌの造りではありませんが、
開けたてから実に美味しく飲める村名赤なんです。
ちなみにご案内の2008ヴィンテージは、
アメリカの専門誌【ワイン・エンスージアスト】のヴィンテージチャートで
【91点】のハイスコアの見逃されがちな当たり年。
試飲でも、
『まだ若さを残すかすかに紫の要素を持つルビー色。
かすかに熟成が始まったように見えるワインには、
ラズベリー、カシス、チェリーなどの赤や黒の果実に、
スミレの花のニュアンスを持つ香りが。
そして、10年熟成のバック・ヴィンテージということもあり、
さすがに酸もタンニンも落ち着きを見せ、
果実味に溶 け込み味わいに複雑さと深みを与えています。
口当たりもまろやかで、それにブルゴーニュのピノらしい旨みがあり、
全体にエレガントでバランスの取れた飲み頃村名ワインと言えます。』