本日ご紹介するのは、ボルドー2級、『ポイヤックの貴婦人』と呼ばれる
ピション・ラランドの元オーナーであるマダム・メイが、
ピション・ラランドを売却して、
南アフリカに移住するほど惚れ込んで造り上げるカベルネ・フラン100%のワイン。
カベルネ・フランは、ボルドーで古くから愛されてきた品種ですが、
熟すのが遅く、収穫時に雨が降るリスクの高いボルドーでは、
なかなか育てるのが難しく、今では補助品種として使われることが多いもの、
本来の力を発揮できれば素晴らしいワインとなります。
それは、カベルネ・フラン主体で造られる、
時価10数万円もするシュヴァル・ブランでも実証済み
マダムが南アでのワイン造りをはじめて、約10年。
いよいよ満足のいくカベルネ・フラン100%のワインが造られました。
その芳醇で滑らか、飲む人を惹きつけて離さない味わいをお楽しみください。
それが
[グレネリー・グラス・コレクション・カベルネ・フラン 2016]
南アらしさを表現しながら、
ボルドーっぽさもしっかりと感じられるワインであり、
新世界好きにも、旧世界好きの皆様にも楽しんでいただける
オールマイティなワインです。
ランクザン家が、ボルドー2級に格付けされる[ピション・ラランド]を購入したのは1924年ですが、
実際にその名声を築いたのは、エネルギッシュで行動力のあるメイ・エレーヌ・ド・ランクザン夫人。
ロバート・パーカー氏も、その著書「ボルドー」の中で、
『才能豊かなメイ・エリアーヌ・ド・ランクザンのひらめきあるリーダーシップによって、
1980年代初頭からは大幅によくなっており、今では一貫して秀逸なワインとなっている。』
と書いているように、ピション・ラランドが、
スーパー・セカンド(一級に匹敵するワイン)と呼ばれるようになったのは、
まさに彼女の功績です。
優雅で品のいい物腰でありますが
決断力、実行力、統率力などぬきんでたリーダーシップを発揮する
フランスのワイン業界でも一目おかれる存在です。
そのマダムが、1988年に訪問した際にこの地方のワインの品質の高さと
ポテンシャルを感じて2003年からグレネリーに投資を開始したのですが、
2007年には、なんと、素晴らしいピション・ラランドをルイ・ロデレールに売却し、
自らも南アフリカに移住したのです。
そのとき、すでに夫人は78歳。
そのエネルギーと行動力は、尋常ではありません!。
多くのフランスの一流シャトーがカリフォルニアやアルゼンチン、チリ、
南アフリカといった新世界に新たなワイン造りにチャレンジしている
プロジェクトはありますが、自ら移住して取り組んでいるというのは、あまりありません。
しかも78歳という高齢でそれを行うのは、
やはりマダムの並々ならぬ思い入れがあるのでしょう。
やはり、ボルドーよりもずっと雨も少なく
理想的なテロワールとマダムをはじめとする
栽培醸造チームの思いが素晴らしいワインを生んだのでしょう。
『香りはドライプラム、タイムやオレガノといったハーブ、
口に含むとブルーベリーやダークチェリー、
鉛筆芯に心地いいハーブのフレーバーが広がります。
タンニンは滑らかで、余韻も長く、伸びやかな味わいです。
フルボディでありながら、綺麗で飲み飽きない心地よさで、
ミートソースとホワイトソースをたっぷり使ったラザニアなどにもいいかも』