ケラー・エステートの自社畑であるラ・クルーズ・ヴィンヤードがあるのは、
ペタルマ・ギャップと呼ばれる地区。
10年ほど前までは、あまり知られていませんでしたが、
この地区の畑のブドウを使ったワインが、
大きな注目を集めるなどしてから次第に広まり、
2017年からは、ペタルマ・ギャップAVA(ワイン産地)
として認定されることになりました。
この地区は、ソノマ・コーストの南部にあり、
ギャップという言葉が示すように、
山の切れ目にかこまれた独特な地形で、
海から流れてくる風はこの狭い地域に集まって吹き抜けていくため、
強く冷涼な土地となります。
そのため、豊かな果実味と酸をバランスよく保つブドウが育ちます。
この地区のブドウは、他にもコスタ・ブラウン、レイミー、
フラワーズといった有名な生産者が使っており、
ケラーは先駆者でもあります。
ケラー・エステートは、1980 年代に畑を拓いて以降、
クローンや地勢、高度、土壌の組成との関係性の究明に精力的に取り組み、
その結果、今ではAVAと認定されるほど
この地域の特徴がワインにも現れています。
ケラー・エステートが持つ自社畑の中でも、
ラ・クルーズ・ヴィンヤードは最も大切にしている優良畑です。
その味わいは、
『香りは熟したラズベリーやクランベリー、ダージリン、
オレンジの皮などが感じられます。
口の中では円熟したバランスのとれた果実味と、かすかなバニラ香、
森の下草を思わせるフレーバーがひろがり、高級感のある味わいです。
なんといっても熟成感を楽しめるところがピノ好きにとっては嬉しいところです。』