シャトー・コス・デストゥルネル 2016

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1855年のパリ万博の際の格付けで、
最高位の1級五大シャトーと肩を並べるとされる、
スーパーセカンドの筆頭 [シャトー・コス・デストゥルネル]。
古くから人気を博すシャトーでしたが、
2009年産が、あの「ロバート・パーカー氏」主宰の
【ワイン・アドヴォケイト誌】で100点満点を獲得。
その後も高評価を連発し、ご案内の最新ヴィンテージ2016年産も
再び【100点】満点を獲得するなど常に進化し続け、
[サン・テステフ]のみならずボルドーを代表するトップシャトーです。

そんな、長年「プラッツ家」の家族所有だったこのシャトーの名声をさらに高めたのは、
20世紀後半の当主だった 「ブリュノ・プラッツ氏」。
そのあたりについてはパーカーさんが著書【ボルドー】で次のように記述。
『ブリュノ・プラッツの心のこもった指導のもとで、
コス・デストゥルネルはサン=テステフのなかでは最高の評価を得るまでになった。
1982年以降、ここのワインは 次から次へと当たりが続いており、
ほとんどのヴィンテージで、
メドックで最上のワインを生産するのではないかと期待できる。』

そしてその結果は、
『1980年代に入ってボルドーで最も人気の高いワインのつとなったのである。
コス・デストゥルネルは、たとえば1993年、1992年、1991年といった
難のあるヴィンテー ジで特に成功してきたことにも注目しておきたい。』
と語らせ、シャトーの確固たる地位を築き上げました。

その後、チリなどでの新事業に乗り出した「ブリュノ氏」の後を継いだのが、
息子の「ジャン=ギョーム・プラッツ氏」
氏は2000年よりシャトーの経営権を引き継いだ、
スイスの実業家「ミシェル・レィビエ氏」と共に、
支配人として莫大な設備投資で発酵室や冷却システムを一新。
シャトーを近代的施設に生まれ変わらせました。 つ
まり、脈々と受け継ぐコス・デストゥルネルのDNAを継承しながら、
革新的な醸造手法を取り入れてそのクオリティに磨きをかけ、
名声を確固たるものとした結果が
【100点】満点の高評価に繋がったと言えます。

ちなみに、シャトーが位置するのは「サン・テステフ」の南端。
古い言葉で砂利の丘を意味する「コス」という丘の 上で、
ポイヤックの北境にある、
メドック格付け第一級 [シャトー・ラフィット・ロスチャイルド]
を見下ろす絶好の立地にあります。
シャトーが所有する畑は91haに広がっており、
そのうちの60%を占める丘の上部は、
表土の砂利層が厚く水捌けが良いのが特徴で、
カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に 最適。
そして、約40%を占める粘土質の多い丘の下部には、
メルローが植えられています。

そんなシャトーの2016年が、ワインアドヴォケイト】で【100点】満点。
カベルネ・ソーヴィニヨンがよほど完熟したのか、
このヴィンテージでは76%の高比率。
それに23%のメルロー、1%のカベルネ・フランというブレンドで、
65%の新樽と 35%の2年使用樽15ヶ月間の熟成後、
2018年の7月に瓶詰めされています。

ちなみに同誌のテイスターは、
『深いガーネット紫色で、閉じ気味で控えめに始まるものの、
ゆっくりと誘惑的に開き、ライラック、ローズヒップティー、
砕いた石、クスノキの申し分のないニュアンスが、
クレーム・ド・カシス、キルシュ、ワイルドブルーベリーに、
モカと木のスモークの香りを漂わせるコアの上に露わになる。
味わいはシンプルに衝撃的で、エネルギーと深みで満たされ、
ミディアムボディのエレガンスと微妙な性質に逆らうように、
無数のフルーツとフローラルの煌めきでしっかりと枠組みされた、
熟して濃密でピクセル化され たタンニンが特徴。
フィニッシュは壮大な長さだ。』
とコメントし、 『ジャスト、マジック』 の一言で締めくくり、
飲み頃を2024年から2068年としている、
これから半世紀は楽しめるお宝ワインが
[シャトー・コス・デストゥルネル 2016]です。


シャトー・コス・デストゥルネル 2016
フランス 赤ワイン 750ml ミディアムボディ寄りのフルボディ 辛口