これぞ熟成ボルドーの旨み、 12年の歳月を経て、
いま飲み頃を迎えた円熟のボルドーワインの登場です。
このワインを造る[シャトー・デュ・カリヨン]は、
ボルドー地方の中央を流れるジロンド河の右岸、
フロンサッ ク地区にある小さなワイナリー。
かの【ペトリュス】を擁する
ポムロール地区に隣接するフロンサック地区は、
じつはポムロールやサンテミリオン地区よりも古くから知られていた銘醸地。
メルロー種を主体として造られる赤ワインは、
豊かな果実味としな やかな飲み口、
そして奥に秘めた力強い味わいが魅力です。
今回ご紹介するのは、
2008年ヴィンテージの蔵出し品。
2008年のボルドーは、
天候に恵まれて全域で良作年となりましたが、
とりわけ素晴らしい出来となったのが、
右岸のポムロール地区周辺。
ちなみに、【ワインアドヴォ ケート】誌の評価では、
2008年のポムロールに96点という高得点がつけられています。
ビッグヴィンテージの完熟したブドウから造られたこのワインは、
濃厚かつ緻密でスケール感たっぷり。
そして12年の時が経ったいま、
ようやく飲み頃を迎えつつあります。
じっさい飲んでみると、
『深く深く沈み込むほどに濃厚なカシスとダークチェリー、
奥からは柔らかなスパイスとふわりとキノコのニュアン ス。
あくまでも穏やかな熟成感。強いて言えば落ち葉。
その味わいはふっくらと艶やかで、
フロンサックらしい強さとしなやかさを備えた味わい。
決して洗練され切っておらず、
温かみと懐かしさを抱いた味わいに
静かなる熟成感が見事にマッチしています。
噛みしめたくなるようなタンニンも非常に味わい深いワインです。』
グラスに注いだ瞬間から柔らかに広がる熟成香、
それは 時間とともに緩やかに変化しつつ、
旨みと味わい深さを 増していきます。
12年の歳月の流れに思いを馳せながら、
じっくりと味わっ てみてください。