美味しい白ワインの産地といえば、アルザスは欠かせない産地です。
複雑に入りくんだ地層年代、土壌の違い、
南北に長いので、北部、中部、南部と場所によって、
ミクロクリマにキャラクターが異なるのも特徴。
アルザスを代表する品種といえば、このリースリングは 欠かせません。
このワインを造るのはドメーヌ・サン・レミィ。
アルザスの中部~南部付近の銘醸畑を含むに優れた区画の畑を所有するワイナリーです。
ワイナリーの場所は ヴェトルスハイム村。
このドメーヌとの出会いは、2013年にアルザスを訪れた 際に、現地の方におすすめされたのをきっかけに訪問。
何を飲んでもたいてい美味しいワインばかりで非常に驚きました!
聞けば、ビオロジック栽培、ビオディナミ 農法によるワイン造りを行い、
転換期を経て、2012年より認証も取得。
そのため、ここ数年の味わいの向上につながっ たそうです。
確かにまだ転換している途中のバック・ ヴィンテージを試してみると、
新しいヴィンテージの方がレベルアップしていることがよくわかりました。
ドメーヌを運営するのは、フィリップ・エールハートさんと奥様のコリーヌさん。
家族経営のドメーヌで、歴史は 古く、なんと1725年から葡萄栽培を行っているそうです。
ワイナリーを訪問した際はフィリップさんのご両親さんに畑を案内してもらいました。
いまだに現役で畑仕事はご両親さんが元気に行っています。
アットホームで親切なドメーヌのみなさんに感激しました。
現在は息子さんがワイン造りの中心に。
このワインに使われる葡萄の畑とその土壌は、
エギスハイム村のオーセルとヴェトルスハイム村のローゼンベルクという区画。
どちらも粘土石灰質土壌です。
通常、粘土石灰質 にリースリングを植えると固く引き締まった酸味になりますが、
このワイナリーはオーガニック、ビィオディナミ農法を実践することによって、
石灰質土壌特有の引き締まったミネラルのストラクチャーだけでなく、
柔らかさや体になじむような優しさが加わっている印象でした。
そのため、いつまでも飲み続けていたくなるような、親しみやすいワインになっています。
葡萄は全て手摘み。自然酵母使用。
醸造はステンレスタンクで18℃の温度管理の元、120日間発酵。オークは使用しません。
試飲の感想は、
『グレープフルーツ等の温かみを感じる柑橘系の香りが爽やか。
味わいは、フレッシュな果実味、豊かでジューシーな酸味、
ややタイトなミネラル感、ストラクチャーがある、伸びやかではつらつとした印象。
後味にほんのりと苦みを感じられますが、いいアクセントに。
素直に続く長い余韻。塩味の鶏肉料理や串揚げ等シンプルな味付けのお料理、
クセが少ない牛のチーズ等と好相性。』
アルザスのワインはよく、『土地を表現するワインだ』と形容されます。
よくワイン造りは『天・地・人』の大切さが語られますが、
特に『地』、土地のキャラクター がよく表れているワインが多いと感じます。
このワインも粘土石灰中心の引き締まったパワフルな土壌、
比較的温暖なこの地らしさがよく表現されていると感じます。
1~3年位はフレッシュ感を楽しんでいただき、保存状態がよければ、
さらに数年は熟成の変化も楽しんでいただけます。
10~12℃くらいに冷やしてサーブしていただくのがおすすめです。
ドメーヌ・サン-レミィ リースリング・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2019
【フランス 】【白ワイン】 【750ml 】【ミディアムボディ】 【辛口】【ビオディナミ】