19世紀の頃はポムロールよりもはるかに知名度があり、
またサンテミリオンと同等あるいはそれ以上に高く評価
されていた地区・・・それがフロンサック地区。
その頃のフロンサックのワインは、メルロー優勢の現代とは異なり、
そのテロワールに絶妙にマッチしたカベル ネ・フランを大切にしており、
しなやかに力強くエレガ ントかつ個性的な味わいで人々の心を捉えてきました。
そして、今回ご紹介するワインもまた、その当時の味わいを想像させる
カベルネ・フラン80%というブレンド。
しかも、ブドウの樹齢は平均43年のヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)。
[シャトー・クラーズ 2010]
メルローよりも長い熟成期間を必要とすることが多いカベルネ・フランに敢えてこだわり、
飲み頃に達するのには時間がかかっても、
熟成の年月の長さによってしか生み出されない風味や旨みを大切にしたい、
という造り手の信念にワイン造りへの並々ならぬ情熱を感じずにはいられません。
さらに、ワイン造りも昔ながらの手法を活かし、
今や珍しい石造りのタンクで発酵させた後、
オーク樽で12~15ヶ月じっくりと熟成させています。
しかも、
今回ご紹介する2010年ヴィンテージは、もはやいわずと知れた超大当たり年。
完璧な状態で完熟したブドウのみがもたらす充実の果実味と十分な酸、
そして成熟した豊富なタンニンが構築する桁外れのスケール感が印象的。
特に、エレガントな味わいの中にしっかりと存在感を主張する力強いタンニンは、
やはり熟成を経てこそ真価を発揮するもの。
約7年目の熟成を迎え、いま素晴らしい状態で飲み頃に差し掛かっています。
その味わいは、
『プルーンやカシスを思わせる濃密な果実味が印象的。
さらに、リコリスやブラックペッパーのスパイシーなアロマに、
フロンサック特有のトリュフ香もわずかに感じられます。
その味わいはしっとりと深みがあり、そして濃密。
気品を感じる穏やかな酸が完熟の黒いベリー感を美しく引き出し、
存在感のある丸いタンニンはまろやかな味わいに陰影を持たせつつ、
飲み応えあるボリューム感を生み出しています。
旨みの余韻はことさら格別。
柔らかな樽香と少しビターな後味が絶妙なアクセントです。』
しっとりと染みわたる旨みは、
素材の味わいを活かしたグリル料理と抜群の相性。
ぜひとも、大き目のグラスでじっくりと味わってみてください。
フロンサックのワインならではの魅惑的なアロマ。
完熟ブドウから生まれる濃密な味わいに心底酔いしれてしまいます。
飲めば飲むほど旨みが増し、深い味わいに変化していく
素晴らしいワインです。
シャトー・クラーズ 2010
【フランス】【赤ワイン】【750ml】【ミディアムボディ寄りのフルボディ】【辛口】
2,580円(税別)