ジトン・ペール・エ・フィス プイィ・フュメ “クロ・ジョアンヌ・ドリオン” 1999

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一般的にロワールワインの熟成白や古酒で定評があるのが、
シュナン・ブラン種の貴腐ブドウから造られる甘口。

このワインは、それらとはまったく別の個性を持つ
バック・ヴィンテージ熟成白です。

使用ブドウはソーヴィニヨン・ブラン。
しかも遅摘みにして当初から甘口を狙ったものではなく、
通常の辛口白の熟成版。ワインの魅力の一つである、
熟成による変化と旨みを堪能できるワインなんです。

それを可能にしたのが、産地を代表する名人の技。

中央フランスを流れ、フランスを代表する大河ロワール川上流、
「サントル=ヴァル・ド・ロワール」と呼ばれる
銘醸地[サンセール]に本拠を置くのが、
1945年創業の[ジトン・ペール・エ・フィス]というドメーヌ。

一般的に、この産地の生産者はモザイク状に広がる4種類(実際は15種)
の土壌ごとの個性を尊重し、それらをブレンドし自社ワインの特徴を生み出しています。

しかし、このドメーヌではブルゴーニュの生産者が通常行うように、
その大半を畑や区画ごとにワインを仕込み、
それをそれぞれ別に熟成させ瓶詰めし、
ラベルには畑名を表記しているのです。
つまり、より限定されたテロワールの個性が感じられる
ワインが造られ、それを消費者は楽しめるということになります。
そして、ご紹介の
[プイィ・フュメ “クロ・ジョアンヌ・ドリオン” 1999]

[プイィ・フュメ]は左岸の[サンセール]とは常に双璧とされ、
ロワール川を挟み対岸の右岸にある産地。
土壌もサンセールに似て実に多様。
ただ、こちらは北に向かい流れるロワール川右岸のため、
全体的に斜面が西向きで午後の日照量が多く、
フランス語で「煙い、いぶした」を意味する「フュメ(Fume)」の名が付いた、
スモーキーで複雑な風味の、より熟成に時間がかかり、
滑らかかつ繊細ながら力強いワインが生まれます。

そんな[プイィ・フュメ]でも、この[クロ・ジョアンヌ・ドリオン]は
現地で「Marnes Kimmeridgiennes」と呼ぶ土壌の、
標高180~205メートルほど、北西向き勾配20~35%の斜面にある
面積1.33haの区画に、1975年に植樹した(今年で樹齢42年)
ソーヴィニヨン・ブランから造ったもの。

そして、そのヴィンテージは、なんと今から19年前の1999年。

そして、その驚きの味わいたるや、
『好状態、好熟成が一目で分かる、透明感あるゴールドの色調。
若い頃はよりいぶし(フュメ)感が強かったであろう香りは、
かすかなカラメル的な香ばしさに変化し、
どちらかというとソーテルヌに通じる、
オイリーで複雑な雰囲気に。
酸はさすがに経年によりまろやかながら、
味わいにはスパイシーさと深み厚みがあり、
後味にはバナナのような南国フルーツの要素も感じるのです。
余韻も長いこの古酒は、
シンプルな味付けの魚介のムニエルやグリル、
チーズならシェーヴルよりもブルー・デ・コースや
ロックフォールなどの青カビ系とじっくり楽しみたいものです。』


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【フランス】【ロワール】【750ml】【辛口】

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