ドメーヌ・モワヤール ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ 2016

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[オート・コート・ド・ニュイ]という地区。
ここはピノ・ノワールの楽園、かの[ロマネ・コンティ]
など数多の頂上ワインを生む「ヴォーヌ・ロマネ村」や
「ニュイ・サン・ジョルジュ村」の西側台地に広がる地区で、
台地上の地勢ながら、
ブドウ栽培に適した岩屑状地質の東南東向き斜面が多く、
その褐色石灰岩土壌は上質のワイン造りに適す、
つまり水はけ良く日照に恵まれた、愛好家は見逃さない、
いわば穴場的存在のアペラシオンなんです。

そうするとあとの問題は、
ブルゴーニュで畑と共に重要視される生産者はどこかということ。

この[ドメーヌ・モワヤール]については、
女性のM.W.(マスター・オブ・ウィン)の先駆者で、
ブルゴーニュに精通する「セレナ・サトクリフ女史」が、
『ワインの骨格が、豊かな風味と驚くほど見事に溶け合
っている』と評価する造り手。

フランス革命以前から畑を所有する名門[ドメーヌ・モワヤール
(またはモワラール)]が、リュット・レゾネ(減農薬農法)で栽培した、
自社畑ピノ・ノワールを手摘みで収穫。

ブドウの果実を傷めないためポンプは使わず、
小さな桶で温度管理したステンレスタンクに運び発酵。
その後、新樽と1年使用のオーク樽にて熟成。
昔からの丸天井のカーヴで負担を掛けずに、
重力によって瓶詰めし出荷したもの。

ちなみに[ドメーヌ・モワヤール]が標榜するのは、
エレガントで力強いワインを得ること。
そして、長期保存、熟成に耐え得るワイン造りといいます。

そしてご案内の2016年ヴィンテージはといいますと、
まだ専門誌などのスコアをつける評価は出ていないものの・・・、
年初の冬は雨が多く、さらに霜害、雹害などの影響から、
生産者が当初はかなり危惧した年。
しかしながら、6月後半から9月、10月の収穫までは好天に恵まれ、
収穫したブドウの出来は良いという、
作柄面では嬉しい方で大誤算となった、
結果的には優良なヴィンテージ。

ただ、生産量は激減。
一方で、出来上がった赤ワインは奥行きがあり濃い色合い。
香りは少し閉じているが味わいはフレッシュで、
柔らかく十分な表現がある。
バランスが良くエレガントで繊細とされるヴィンテージ。

試飲でも、
『このヴィンテージもさすがの旨み』
『かすかに紫の要素を持つ、クリアーでやや深みのあるルビー色。
グラスに注ぐと、ほのかな樽香を伴う華やかな香りにドメーヌの特徴が。
タンニンと酸はニュイにしては滑らかなため、口当たりがシルキー。
そして、スミレやブラックベリーにラズベリーのニュアンスに加え、
瑞々しく豊かな果実味には、ニュイらしくコショウなどの
スパイスも垣間見せる辛口の味わいなんです。
まだやや若さが勝るものの、このヴィンテージでも芯のある果実味に、
しっかりとした骨格とボディを備え、
赤ワインを煮込んだソースを使った料理と楽しみたい、
大人の風味を持つ1本です。』




ドメーヌ・モワヤール ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ 2016