「これは・・・」と、その旨さに思わず感じ入る。
これぞボルドー右岸の王道スタイル、
すなわちあの“ペトリュス”の哲学を継承する優雅さ。
そう、[シャトー・シオラック]は
まさにあのペトリュスを彷彿させる味わい・・・といっても過言ではない。
それは、あの唯一無二のペトリュスのスタイルを確立し、
長年に渡りワイン造りを担当してきた伝説の元醸造長、
ジャン・クロード・ベルエ氏の一番弟子が、
この[シオ ラック]の醸造を行っているから。
その“ペトリュス”の、あるいは天才醸造家ベルエ氏の
技術とセンスと哲学を受け継いだそのワインは、やはりとんでもなく旨かった。
というわけで、このたびご紹介するのは、
かのペトリュスがあるポムロール地区の北隣に位置する地区、
【ララ ンド・ド・ポムロール】にある[シャトー・シオラック]。
ちなみに、現在はかの一級【ラトゥール】の経営を行う
フレデリック・アンジェラ氏がこのシャトーの経営も担当しており、
また同じくラトゥール出身で、ラトゥールで
ビオディナミを成功させた醸造家ペネロープ・ゴドフ ロワもチームに加わり、
シオラックのワインの品質およ び評価はうなぎ上り、
2015年ヴィンテージは、パーカーポイント90-92点を獲得しています。
今回ご紹介するのは、まだペトリュス直伝の手法が色濃く反映されていた2010年ヴィンテージ。
2010年ヴィンテージといえば、今世紀のボルドーを代表する超大当たり年のひとつ。
お隣ポムロール地区はワインアドヴォケート評で95点を獲得しているグレートヴィンテージで、
スケール感のあるダイナミックな味わいが魅力の年。
8年超の熟成を経ていま、アロマも旨みも最高の状態。
ボルドーの中でもこの辺りの地区に特徴的なトリュフの香りもふわりと漂い、とても魅力的です。
その味わいは、
『艶やかなカシスにダークチェリー、そして未だ瑞々しさをはらむプラム。
その奥から現れるトリュフ、カカオにエスプレッソの黒いトリオ。
柔らかな熟成感は泣けるほどに美しく、なめし革に葉巻、
ダージリンが匂い立つような色気を放っています。
ほのかに感じるメントールのニュアンスは一服の清涼剤。
一口飲めば、骨抜きになるようななめらかさ。
ふかふかのソファに沈み込むような安心感のある味わいバランス。
きれいな酸と上品な熟成感が生み出す圧倒的な優雅さに、思わず言葉を失います。
アフターの余韻の美しさは言わずもがな。』
ペトリュスを彷彿させる貫禄と、スケール感。
そして心を鷲掴みにするよな独特のアロマ。
ぜひとも、大きなグラスでじっくり味わっていただきたい美酒です。
ローストビーフや熟成チーズとともに。
または、ツマミなしでワインに集中するのもよし。
どうぞ、たっぷりとご堪能ください。