このワインは、
当初[ロバート・モンダヴィ]と[エラスリス]の
ジョイント・ベンチャーとして1995年から造られ、
すでに22年目を迎えています。
カリフォルニアのナパの雄、ロバート・モンダヴィが、
[オーパス・ワン]の成功を受け、次に向かった先は、
『ワイン造りの桃源郷』ともよばれる、理想の楽園チリ。
なにしろ、チリは、最適なるテロワールと気候によって
フィロキセラの害にも遭わず、
脈々とワイン造りが受け継がれているのですが、
ここで1860年からブドウ栽培およびワイン造りを行ってきたのが、
チリの名門[エラスリス]です。
モンダヴィは、フランスのボルドー大学を卒業し、
チリのワインを世界に知らしめたいと考えていた、
現在の当主であるエリック・チャドウィック氏と意気投合し、
ジョイント・ベンチャーを発足。
当初は[エラスリス]の畑から厳選したブドウを使って造っていましたが、
さらに理想的な畑を探すこと4年という歳月をかけ、
アコンカグア・ヴァレーに[オコア畑]を購入し、
セーニャ専用の畑とします。
[エラスリス]は、他のワイナリーに先駆けて、
オーガニック栽培を行っていたのですが、
2005年からは完全なるビオディナミ栽培に移行し、
現在は、完璧なるビオディナミを行うための施設を完備し、
徹底した管理のもとでブドウを栽培、
そしてワインへと仕上げています。
そして、ビオディナミに完全移行した2005年頃から、
このワインの評価も飛躍的に高まり、
ロバート・パーカー氏主宰の[ワイン・アドヴォケート誌]でも
90点台後半を連発しています。
元ワイン・スペクテーター誌シニア・テースターであり
現在は自身の評価サイトを運営するジェームズ・サックリング氏は、
チリに毎年、足を運び500以上のチリ・ワインを試飲し、
今やチリ・カルトの評価では欠かせない存在となっているのですが、
そのサックリング氏は、ついに2015年に【100点満点】を与え、
『ブラックカラントや石、ブルーベリー、リコリスのローズのアロマは驚くほど。
イオウや花、香水の香りも。
フルボディで果実の密度は素晴らしく、熟したタンニンがある。
このようにエネルギーとフォーカスのある状態が一分間も続き、
噛み応えのある余韻を残す。
複雑で完璧なワインで硬さのある芳醇さがある。』
とコメントしています。
今回ご紹介する2017年は、
点数では2015年には及ばないものの僅差の99点。
ワイン造りにおいては、225リットルのバリックと呼ばれる小樽での比率を落とし、
2500リットルのフードルと呼ばれる大樽での熟成比率を上げたといいます。
2019年のリリース時に試飲する機会に恵まれましたが、
年々ワインは洗練され、進化を続けていると感じられる仕上がりで、
重厚な厚みを感じられます。
すでに初リリースから22年、
しっかりとしたバックグラウンドとトラックレコードをもつこのワインは、
今後ますます価格高騰していくであろうお宝ワインです。
新世界ワインファンの皆様のみならず。
ボルドー好きの皆様にも味わっていただきたい、
世界レベルのグレートワインで、チリ・カルトの中でも、
そのスケール感は群を抜いています。