≪ドウロ・ボーイズ≫をご存知でしょうか!?
近年、世界で超話題となっているポルトガルの生産者集団なんですが、
なんとその中の一人がスペインの銘醸地トロで生み出す珠玉の赤ワインを、
発掘いたしました。
[ラ・エンフェルメラ・トロ 2015]
それでは、このワインの華麗なるプロフィールを、
とくとご覧くださいませ。
≪ドウロ・ボーイズ≫とは、
ポルトガル北部の産地ドウロを拠点とする5生産者のグループで、
「ドウロをポートに頼らない高品質スティルワインの産地に変革すること」
を目指して結成されました。
近年の活躍はめざましく、彼らの造るワインは酒精強化のポート・ワインだけではなく、
スティルの赤白ワインも世界トップクラスの評価を得るまでに。
そんな≪ドウロ・ボーイズ≫の一員、
クリスティアーノ・ファン・ツェラー氏が、
なんとスペイン銘醸地のひとつトロで赤ワインを造っていたんです。
トロといえば、数々の高級ブランドを擁するフランスの一大グループ、
あのLVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンが進出したことでも知られる銘醸地。
実はポルトガル・ドウロとスペイン・トロは共に1本の大河の恩恵を受けている産地。
ポルトガルではドウロ河、スペインではドゥエロ河と呼ばれています。
トロの素晴らしい畑に惚れ込んだファン・ツェラー氏が、
地元スペインのパートナーと共に生み出した一本が、
この[ラ・エンフェルメラ・トロ]というわけです。
お買い得キュヴェと言えども、なんと何と、
あの世界最高峰のワイン評論家ロバート・パーカー氏主宰の
[ワイン・アドヴォケイト]にて、【90点】を獲得。
そのコメントたるや、
『スパイシーなオークの印象を伴った、果実のアロマが前面に出た香り。
口中では(トロのワインにしては)軽やかなミディアムボディで、きめの細かいタンニン。
重めの料理にも、やや軽めの料理にも寄り添うことが出来る。
と言えるのは、私自身が試したから!
フレッシュな印象から、グラスの中で時間が経つにつれ
オレンジピール、スミレなどを想起させる香りに変化してくる。
美味しく心地良く、非常に良いバリュー。』
と激賞。
『美味しく心地良く、非常に良いバリュー』なんて、
最高のホメ言葉ではないでしょうか!?
はともあれ、まず飲んでみましょう!!
ラズベリー、ダークチェリー、プラム、カシスリキュールなどの
甘酸っぱくチャーミングなフルーツのアロマ!
さらに杉やハーブの清涼感、シナモン、ナツメグ、クローブ、
リコリスの甘苦スパイス、スミレ、おしろいのフローラルでパウダリーな印象も。
さらにスモーキーなミネラル感もあります。
口中では、チャーミングで親しみやすい果実味、
たっぷりとして上質な酸、きめ細かくシルキーなタンニン。
スパイシーながら柔らかくしなやかな口当たりで、
飲み飽きることがありません。
甘やかでビターな余韻も長く、
濃厚過ぎないミディアムボディの赤ワイン。
それでいて飲み応えがあり、満足感の高い一本です。
合わせるお料理は、パーカーさんのコメントの通り重めの料理にも、
やや軽めの料理にもピッタリと寄り添ってくれます。
生ハムやサラミのアンティパストから、チキンのトマト煮、
合挽き肉のハンバーグなどの家庭料理に合わせて、
カジュアルに楽しんでください。
ちなみに、ワイン名の[ラ・エンフェルメラ]とは、
スペイン語で看護師の意。
1476年、このトロの地に攻め入って来たポルトガルのアルフォンソ5世に応戦した
カスティーリャ王国(現在のスペイン)のイサベル女王の尽力で、
現在のスペイン保健省の原型が生まれました。
彼女は負傷した兵士の手当てをするため、6つのテントを設置。
そして彼らの快復を促すために、トロのワインを分け与えました。
まさに[ラ・エンフェルメラ]とは、
イサベル女王の功績を称えたワインなのです。
そんな歴史に思いを馳せながら飲むこのワイン、
最高に味わい深く至福のひとときを演出してくれます。
どうぞたっぷりと味わってみてください。