店は、あと少しで閉店の様子で真理子は、出来るものでよければと
7人はそれでもいいと星一は「すいません店を閉めるところに・・・。」と頭を下げた。
「この間のオムライスが美味しくて、私がここがいいってね、閉店時間も知らなくて・・・。」と瑠璃子も頭を下げた。
「いいですよ、お客さんが来てくれる事はうれしいことなんだから」
真理子は、ぽっちゃりとした顔つきに笑顔いっぱいで微笑んだ。
「お父さん、何が出来るの!」と厨房で片付け始めてた両親に向かって尋ねた。
「そうだなあ、何でもOKだ!」と、今日最後のお客さんに誠意を見せる言葉だったが、
星一達は、それぞれに違うものを注文したので出来ない物もあったのだった。
が、皆は特に気にする事もなく出来るものを作ってもらった。
「すいません。」と真理子が注文の物が出来ない事に誤りに来たが、「大丈夫だよ!」星一は、微笑んだ。
その笑顔が真理子の胸の中で何かがざわめいた事は、真理子自身気付かなかった。
「そうだ!大森も沢田も今年、成人式だっけ?」と星一は、何か思いついたように聞いた。
「そうですよ!あんまし行きたくはないけど・・・。」沢田は答えた。
「俺は、楽しみなんですよ。最近、会ってない仲間に会えるしね。」と嬉しそうに言ったのを、
沢田が「お気に入りの娘が居るんですよ。
大森には、卒業式に告白するはずが、言えなくて・・・。
今なら言えるとかで、張り切ってるんだよな!」そんなことはないよ、
卒業式の時は具合が悪くなって最後の最後に保健室で寝てたんだ!と言い訳をしたが、
弘幸が極度の緊張で腹が痛くなったそんなところじゃないのと
「何で今迄、告白しなかったんだ、2年位の猶予は遅過ぎるかもな、
今は彼氏が居てごめんなさい!ってとこかな」と星一は、大森を見て続けた。
「成人式では告白出来るって根拠は何なんだ?」と首をかしげその答えが聞きたかった。
星一も、告白など一度もした事もなく何時も女性の方からだった。
それも結局上手く行かなかった。
自分の意思が何時も星一を悩ませたのだが、今、星一は自分の気持ちを決めなくてはいけなかった。
告白して断られるかもしれない、だからと言って加奈を保険として、
別れずに居る事は星一にはそれが出来なかった。
「根拠なんてないですけど、社会に出たら何か自信が付いたって言うか・・・。」と大森が、
照れくさそうにスキー焼けしてる顔がさらに赤くなったように見えた。
「かっこいい!!」と瑠璃子と町子が茶化した。
ますます大森の顔が赤くなるのを皆は、笑いながらそれぞれに頑張れと応援した。
自分に出来るだろうか、このまま加奈と付き合っていって結婚して行く事の方が楽じゃないのか?
また、迷いが出てきた星一は、「帰ろうか!」と席を立った。
店を出るときに7人は、「ありがとう御座いました。」「美味しかったです」「また来ます」とまちまちに声を掛け店を出た。
「お兄ちゃん、楽しかったよ!」と先に瑠璃子を送り、自分の車を駐車場に戻すと23時過ぎ外は冷え切って、
見上げた空には無数の星が輝き、寒さを一層感じさせ音もなく風が吹き抜けると、何故か寂しさをも感じさせた。