風と香りの中で  7

街の至る所では、既にクリスマスムードが高まっていた。
それは、近い未来日本全国で、家の軒先から玄関までもが
派手な装飾照明などで着飾る時が、来ることなど思いも寄らない
時代の弥生達にも、クリスマスが近づいていた。

「やよ!どうするのクリスマス。」
「ん!」いきなりの、理沙の問いかけに「どうするって?」と聞き返した。

冬休みも近づいている学校は、授業も早くに終わり、いつもの三人は
帰りの電車の中で、そんな会話が始まった。

「私は、毎年家族でね。料理作るの手伝わないとだし、兄妹多いし」
理沙は、それが楽しいだよって感じだった。

「そっかぁ!いいなぁ」と、羨ましそうに弥生は、「私は、バイトかな?」と首を傾げた。

「何で、そんな日にバイトすんさぁー。やよん家そんなに大変なの?」
理沙は、半信半疑本当は違うよねと、思いながら「ほんとうに、バイト?」と聞きなおした。

「まあ、クリスマスはお客さん沢山来るし、香月姉妹がバイトに来るようになってから
喫茶 ナイトは、連日大繁盛だって噂だよ・・・。」
真理子は、私は知ってるよと少し自慢げに話した。

「何よそれ!」と、理沙の性格上何かあるぞと、勘ぐった。
「いい人いるの?、新しい彼氏でも見つけたの?」
また、理沙の弥生に対して質問攻撃が始まった。

「りさって、いつもやよの事きにするよねぇ」と言いながら、二人を見た。
「やよは、可愛いし美人だし、智君と別れたって直ぐに新しい彼氏くらいすぐに出来ちゃうからさぁー。
どうかなぁーて、智君と別れたんだよ、女子に人気が高かった男子だよ」

まだ、二人が別れた事を気にしていた理沙は、次の休みに智彦と会う、約束をしていたのだった。

だから尚更、弥生の事が気になっていたのだった。

理沙に、降りかかる怪しい影は誰にも知れずに忍び寄り、何時ものように三人は、笑顔で家路に着く。