このシャトーについては多くを語る必要はないでしょう。
1855年の格付けでは第五級ながら、
近年は一級5大シャトーに次ぐ存在として君臨するシャトー。
果実味が凝縮し、ミネラル分が豊富でスパイシー。
ラトゥールやオー・ブリオン、ピション・ラランドなどと共に、
ヴィンテージに左右されない品質を誇るシャトーの一つとされる実力派。
その名も、
[シャトー・ランシュ・バージュ 2014]
1855年のメドック格付けでは第五級ながら、
近年は一級5大シャトーに次ぐ存在として君臨する
シャトー・ランシュ・バージュ。
このワインの品質、評価、人気を高めたのは、
1939年にシャトーの経営を引き継ぎ、
4代にわたりシャトーを管理する「カーズ家」、
とりわけ裏ラベルのロゴにも表記される
「ジャン=ミシェル・カーズ氏」の功績が大きく、
それによりワインの品格は着実に向上、高い評価を勝ち得ています。
シャトーは、北側を[ムートン]と[ラフィット]の
両ロートシルトに挟まれ、南側には[ピション・ラランド]と
[ピション・バロン]、[ラトゥール]が隣接するという
絶好のロケーション。
畑は日当たり抜群の、「バージュの丘」と呼ばれる丘の頂点に位置し、
ガロンヌ川にピレネー山脈から運ばれた砂利が堆積された土壌は、
粘土質が少ないため日中に吸収した熱を夜間に放熱する好条件から、
古くからカベルネ・ソーヴィニヨンの出来が良い銘醸地として知られていました。
結果、造られるワインは、
その良質のカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高いことから、
凝縮された果実味と共に、豊富なタンニンがまろやかで厚みがあり、
力強い味わい。
また、若いうちから明快で率直、口当たりも良くエレガンスも感じさせてくれます。
それでいてポイヤックらしさや品格を失わないスタイルを持つ
実力派シャトーがこのランシュ・バージュ。
そして、ご案内の2014ヴィンテージ。
この年は、あの「ロバート・パーカー氏」主宰の【ワイン・アドヴォケイト】
2017年4月号で、【92点】のハイスコアに、
その飲み頃を来年2019年から2038年の長熟とし、
『2014年のランシュ・バージュは、開けたての香りは
タイトで控えめで、飲み手がなだめられているよう。
しかし最終的には、赤と黒のフルーツに、杉やタバコなどが混ざるように開き、
ハーモニーと強烈さがグラスを満たす。
味わいは、良質のタンニンを備えたミディアムボディで、
現時点では直線的で明確で、ボディと深みと、
ストレートレースのようなフィニッシュが勝る。
ただ、このポイヤックに4~5年の瓶内熟成を与えれば、
あなたに恩返しをするだろう。』
とコメント。
試飲でも、
『深みのある紫と黒の要素を持つガーネット色。
クリーンでミネラル感溢れ、ブルーベリーや
プラムのニュアンスが楽しい香りはランシュ・バージュならでは。
正直まだ若い感じもしますが、
タンニンがまろやかで酸も適度で上品なためすでに口当たりがよく、
果実味にもフレッシュでエレガントさが目立ちます。
時間の経過によりほのかに生じるカカオやクローブの風味か ら、
個人的にはもう少し熟成させて飲みたい1本で、
その時には王道のラムのグリルと合わせたいものです。』
第五級ながら、近年は一級5大シャトーに次ぐ存在とされる
スーパーセカンドと同格として君臨するシャトー・ランシュ・バージュ。