帰る道中に星一は、もう辞めてしまったんじゃないかと、
そのことが気がかりで一言も話すこともなく皆と別れ、
駐車場から家に行くまでの間にいつものように立ち止まると、
空を見上げいつもの様にオリオン座を探し見つめると、
何故かほっとしたのもつかの間で、家に入るなり「アンタ、加奈さんとどうなってるの?」と母親が呼び止めた。
「どおって?」星一は、何のことやらととぼけながらリビング入ると、
テーブルに置いてある暖かそうな毛糸のストールと、一枚の便箋と、封筒がおいてあった。
「これ、アンタに」と封筒を渡され「別れたんでしょ、加奈さんと・・・。」
手にした一枚の便箋には、クリスマスの時のお礼の手紙で加奈が、編んだストールが置いてあったのだ、
もう、家に来ることもないし、ありがとうございましたって書いてあるんだよ。
「しっかりした娘さんなのに、アンタは・・・中々いないよこーゆう娘さんは、
そりゃーまだ、早いと思ってるかもしれないけど、良い女性がいたら早くもないんだよ。
かーさんは、アンタを22歳の時に生んだんだから・・・。」と、
本当に残念そうに言われたが「関係ないよ、お袋には、自分の事だよ、ちゃんと判ってるって、大丈夫だって」
そう言って部屋に向かうと「大丈夫って、父さんも気に入ってたのに、ほんとにねー判ってんのかな」
と母親は、1人呟いていたのを瑠璃子が「お兄ちゃん別れたの?」と尋ねていた。
「関係ないのに、何なんだ・・・自分の気持ちのことも考えて欲しいよ」と部屋に入って、手にした封筒を開けた。
微かに香る甘い匂いと手にした便箋から伝わってくる想いが、なんとなく重く感じられ星一は、ベットに腰掛けた。