時と共に優しく 5

大迫強志は買って貰ったばかりの真新しい自転車の乗り心地の為に徘徊していた。
が、公園の前まで来るとその騒ぎに気付き自転車を降り押しながら公園に入って来た時、
椋に長い棒が当たったのを目撃した。

「あっ!危ない」自転車を投げ出し駆け寄ったが数人が猫を追いかけ椋も追いかけ、
その後ろから強志も追いかけた。

「何してるんだ!」
皆が一斉に振り返った時強志は、
椋の顔を見て驚いた。
「血が!」
その声に全員が椋の顔を見て驚いた。

「わっー」と駆け出していくのを強志は、
大きな男子を捕まえて「お前がやったんだよな」と攻めた。

怖くなっていた男子は
「おれじゃあないね」
と強志の手を解こうとしたが何せ強志は、
中学2年で体格はその男子と変わらず手を解く事は出来なかった。

「おれじゃないって・・・。」
「僕は、見ていたんだ、お前が棒を振り廻してあの子に当てた所をな」
「んっっ!ごめんなさい、そんなつもりなかったのに、
避けないから当ったんだよう!」少し半べそ状態で訴えたが
「お前たち、男だろ何てひどい事をするんだ!」
強志は、大きな男子に怒鳴った。
椋の哀しそうな顔を横目で見ながら・・・。