弥生は、昨日より風邪をひいたらしく、40度近くの高熱にうなされていた。
病院から戻ると母親は慌しく凍り枕やタオルを数枚用意すると、
弥生を部屋に寝かせ、やっと眠りに付いていた。
時々、心配そうに妹のかすみは、部屋を覗いた。
高熱でうなされていたのか、夢でも見ているのか、寝ている表情が険しく聞き取れない言葉はろれつが回っていない、
そして、何か叫ぶと深い眠りに入っていったのか、穏やかな表情に戻り、寝息をたて始めた。
「大丈夫!」かすみが声をかけたが、弥生には聞こえない。
部屋を出ると、母親にお姉ちゃん寝たみたい、薬が効き始めたのかなぁと言って
「今日、私もバイト行かないー」「そうね」母親は、本当はバイトなんか行って貰いたくなかったのだが、
2人がどうしてもやりたいと、2人一緒ならと仕方なく受け入れたのだから、
2人がバイトに行かない事にはいつも、何も言わなかったのだ。
「今日は、お姉ちゃんの様子見ててあげてね」と、
でも、かすみは特に姉のそばにいてあげたいとか、
そんな強い気持ちがあったわけでもない。
香月家では、特に行事的な日でもなく父親は「キリストの信者でもないのにと・・・」口癖のように言うのには訳があった。
子供達に教えるべき事を教えていた。
やがて、時とともに日本全土で、クリスマスは祭りごとの1つとして街は、
電飾灯で飾られ見る者の気持ちに安らぎすらを与えていった。
たぶん、それは、クリスマスでなくてもいいのかもしれない。
2人が休む事で、喫茶ナイトも休業になっていた。
姉妹の為に用意していた、プレゼントを持ったいつもの客は、休みか!と残念そうに帰っていった。
が、プレゼントは、別の日に渡されるのだった。
何とか気を引こう思っているのか特別な日に渡すことで効果があると思っているのか、
何とも男は単純な生き物かもしれない。
かすみは、弥生の部屋でいつの間にか、眠ってしまっていた。
母親は起こすこともせづに、暖かい部屋に毛布1枚をかすみに掛けて、
弥生の具合を見ると出て行った。
理沙は、智彦に電話を何度してもでない。
呼び出し音だけが長く続き出る気配もなかった。
「なによ!」そお言いながらチケットを取り出すとパーティーの場所が簡単な地図で書かれていた。
「僕と会えなくても、先にいってる場合があるから、その時は後から来てな!」
「先にいってるのかなぁー」理沙は、辺りを見渡したが来る気配がない事を確信すると、
簡単な地図を頼りに歩き始めた。