寮生活の可奈には、久しぶりの家族的な雰囲気がうれしかったのか、
自分が看護婦になると決めた経緯を、
一生懸命に話してると星一の父親は、
何度も頷きながら可奈の話を熱心に聞いていた。
「仕事には、もう、慣れたのかい きつくはないのかのう?」
看護婦の仕事が、
どんなものなのか分かっているのか「大変なんだってのう。」と言って、
ビールを1口飲んで星一に
「こうゆう優しい気持ちのお嬢さんなら、お前も幸せだのう」
と星一を見たが、星一は、席を立った。
リビングに行くとタバコを吸い始め、何か、流れがまずくないか、
自分はまだ結婚なんて考えてもいないし、それに可奈の事だって、
まだ、2ヶ月たらずの付き合いじゃないか・・・。
キッチンからは可奈が
「私は、多くの人の役に立てれば、大変なんて思はないし、
自分に合ってる仕事だと思ってます」と、
しっかりした口調で話してるのが聞こえた。
おいおい!自分を売り込んでるのかと星一が思ってると
「偉い!お嬢さんは、天使じゃ・・・。」と父親が、
うれしそうな声で言ったのが聞こえた。
そして、何度も頷いていた。
「辛い事があったら、遠慮なくいつでも来ていいからね、
せいなんか居なくてもだよ」と母親も、
可奈に気遣うように言っていた。
可奈は、遠く親元から離れ寮生活をしながら、
見習いから、準・正看護婦へと進む道程を歩いていた。
やはり、大抵の人は応援するだろう
母親が、せい何してるのと呼ぶと、星一は戻ってきた。
「あんたね、こんな優しく、素朴な女性はそんなに居ないよ!」と、
星一は何か凄く追い込まれてる気がした。
だが可奈は、どうなんだとは言わずに可奈を見つめた。
その視線に気付いた可奈は、星一を見るとうれしそうに微笑んだ。
ん!この時、星一は、可奈を連れて来た事が本当に良くなかったと
、確信した。
「えっ!お兄ちゃん結婚するの?」と妹の瑠璃子は、
皆の話が何かそんな方向に言ってる様に思えたのかそう言って尋ねた。
「まさか、まだそこまでの話しじゃあないぞ!」
いいタイミングだと、思いすかさず答えた。
「まだ、兄貴だって結婚してないのに・・・。
弟の俺が先に結婚する訳にはいかないだろ?」
と瑠璃子を諭すように続けた。
「別にね、家はそんなことは拘らないからね」と母親が言うと、
「ああ!まあ2人で決めればいいことじゃのう」と、父親が赤ら顔で言った。