風と香りの中で 45

式には、綺麗な着物姿の女性が多く、中にはドレス姿や、スーツ姿の女性も居てむしろそちらの方が目立っていた。

その中に大森が告白する女性がいたのだった。
沢田が見つけると大森に告げた「来てるぞ!」「何処?」と辺りを見渡した。
「あそこの、大勢居る中に居るだろ」何にしても傘が邪魔してよく見えなかったのだ。

大森は、居なかったら居ないでいいや!何て、弱気の気持ちもあったのかもしれない、
だから、見えない!それで自身に納得させる口実にもなるのかもと・・・。
だが、沢田は、大森を横に連れてその女性の近くまで寄っていった。

「いた!」大森は、急に心臓の鼓動が早くなり、緊張間際で歩みが遅くなった。
が、その女性にぴったりと横に一人の男性がくっ付いている「ん!」沢田は、感ずいたのか。

「りょうちゃん、良く見てみろ」と小さな声で大森に「あれ、あれ!」と、
顎をしゃくり「良く見てみろ」と、大森に感ずかせようとした。

沢田は、2人の近くまで行って様子を伺いに行った。
これも、りょうちゃんのためだしな。
「やっぱりか!りょうちゃん、告白の前に撃沈だな」と、
大森を見ながら近くまで来て「行こうか」と大勢の人達が入って行く体育館に向かった。

「どうゆう事だよ」大森は、得た情報も言わずに行ってしまった、沢田の後を追いながら呟いた。
大森涼太、告白の前に撃沈などと新聞の記事にもならなかった。