大森と沢田は、夜半から振り出した雨の中浜の食堂に向かって歩き、
成人式の明日は間違いなく雨だなと2人は足早に店に入って行った。
「いよいよだな!」と、沢田が大森の告白の日を成人式よりも楽しみにしていることは、
大森は知る由もなく「大人の仲間入りか?良く判らんよ、あえてそんな日が必要なのかなんて・・・。」
店は空いていたので、座り放題で右手に2テーブルある座敷の席に座った。
「そうじゃなくてさ!。涼ちゃんの告白が、俺は楽しみなの今日から大人とかそんなの関係ない、
20歳になればお酒も煙草もオッケーなんだろ親にも言われないし・・・。」そう言って煙草に火を付けた。
真理子は、勉強の休憩中だったのか大森達が入ってくるのを見て、座席に付くと直ぐに注文をとりに来た。
「あっ!まりちゃんだ!」と驚いてもいないが、馴れ馴れしく話した。
沢田は、当然何だその馴れ馴れしさは、と思いながら真理子を見て、
ここで働いてるのとか、年は幾つなどと初対面で平気でそんなことを聞いた。
沢田も大森と同じように気さくな性格だった。
真理子は、何の躊躇もなく、ここの娘で可愛い看板娘よ、
年はまだ18歳の花の女子高生ですよと、満面の笑みで答えた。
注文をして奥に行った真理子を見ながら、
「涼ちゃん、今みたいに気軽に話をすればいいんじゃないか、
あんまり気負うと伝えたいことの半分も言えない気がするよ」
と沢田は、的を得ていた。
「そうだよなー!明日なんだよなー!」と、
あまり考えずにしておこうとしたがそれは無理な話しで話題がそうなるのは、
結果がでるまで人事だが楽しみになってしまうのは誰だって同じなんだろう。
そんな話をしている所へ、店の扉が開くと星一が独りで入ってきた。
星一は、客の少ない店内では2人を見つけるのに時間は掛からなかった。