加奈は、星一から一度電話があったことを聞いて、
電話を掛けたが小早川家には誰もいなかったのか繋がる事もなく呼び出し音だけが寂しく聞こえた。
今の、ように通信技術が20年早く発達していたら、
この物語もきっともと早く進んで行くのだろうし、
内容も大きく変わっていくだろう。
でも、どれだけ技術や科学が発達しても、人の心は進歩しないだろう。
加奈はやっと出来た、星一の母親のストールを編み終えた。
いつでも渡せるように準備はしていたのだが、仕事の量は準看になってから多くなっていた。
星一に会いたい気持ちも充分にあったが、自分で選んだ道を真っ直ぐに見つめ、
自分が多くの人のために馴れればそれは、凄くうれしい事でもあったから今は、
恋愛どころじゃないのかな、などと時折思うこともあった。
加奈は、星一の人形を見ながら何故か涙が少し零れた。
冬の寒い夕刻の雨が降り始めた時に。