セーニャ 2017

このワインは、
当初[ロバート・モンダヴィ]と[エラスリス]の
ジョイント・ベンチャーとして1995年から造られ、
すでに22年目を迎えています。

カリフォルニアのナパの雄、ロバート・モンダヴィが、
[オーパス・ワン]の成功を受け、次に向かった先は、
『ワイン造りの桃源郷』ともよばれる、理想の楽園チリ。
なにしろ、チリは、最適なるテロワールと気候によって
フィロキセラの害にも遭わず、
脈々とワイン造りが受け継がれているのですが、
ここで1860年からブドウ栽培およびワイン造りを行ってきたのが、
チリの名門[エラスリス]です。

モンダヴィは、フランスのボルドー大学を卒業し、
チリのワインを世界に知らしめたいと考えていた、
現在の当主であるエリック・チャドウィック氏と意気投合し、
ジョイント・ベンチャーを発足。
当初は[エラスリス]の畑から厳選したブドウを使って造っていましたが、
さらに理想的な畑を探すこと4年という歳月をかけ、
アコンカグア・ヴァレーに[オコア畑]を購入し、
セーニャ専用の畑とします。

[エラスリス]は、他のワイナリーに先駆けて、
オーガニック栽培を行っていたのですが、
2005年からは完全なるビオディナミ栽培に移行し、
現在は、完璧なるビオディナミを行うための施設を完備し、
徹底した管理のもとでブドウを栽培、
そしてワインへと仕上げています。

そして、ビオディナミに完全移行した2005年頃から、
このワインの評価も飛躍的に高まり、
ロバート・パーカー氏主宰の[ワイン・アドヴォケート誌]でも
90点台後半を連発しています。

元ワイン・スペクテーター誌シニア・テースターであり
現在は自身の評価サイトを運営するジェームズ・サックリング氏は、
チリに毎年、足を運び500以上のチリ・ワインを試飲し、
今やチリ・カルトの評価では欠かせない存在となっているのですが、
そのサックリング氏は、ついに2015年に【100点満点】を与え、
『ブラックカラントや石、ブルーベリー、リコリスのローズのアロマは驚くほど。
イオウや花、香水の香りも。
フルボディで果実の密度は素晴らしく、熟したタンニンがある。
このようにエネルギーとフォーカスのある状態が一分間も続き、
噛み応えのある余韻を残す。
複雑で完璧なワインで硬さのある芳醇さがある。』
とコメントしています。

今回ご紹介する2017年は、
点数では2015年には及ばないものの僅差の99点。
ワイン造りにおいては、225リットルのバリックと呼ばれる小樽での比率を落とし、
2500リットルのフードルと呼ばれる大樽での熟成比率を上げたといいます。
2019年のリリース時に試飲する機会に恵まれましたが、
年々ワインは洗練され、進化を続けていると感じられる仕上がりで、
重厚な厚みを感じられます。

すでに初リリースから22年、
しっかりとしたバックグラウンドとトラックレコードをもつこのワインは、
今後ますます価格高騰していくであろうお宝ワインです。

新世界ワインファンの皆様のみならず。
ボルドー好きの皆様にも味わっていただきたい、
世界レベルのグレートワインで、チリ・カルトの中でも、
そのスケール感は群を抜いています。


セーニャ 2017
チリ 赤ワイン 750ml フルボディ 辛口

カ・マルカンダ・マガーリ 2016

『カ・マルカンダ』は、1996年、ガヤがトスカーナ州でモンタルチーノ地区の
『ピエーヴェ・サンタ・レスティ トゥータ』の次に手に入れたボルゲリ地区のワイナリーです。

このエリアは暖かい海沿いの地で、サッシカイアなどの
ハイクオリティ・ワインを産み出す土地として知られています。

ワイナリーの名前である『カ・マルカンダ』とは、
ピエモンテの方言で「望みのない交渉の家」という意味。
オーナーであるアンジェロ・ガヤ氏は、この土地を手に入れるため、
所有者に何度も交渉に出かけるものの、ことごとく断られてしまったそうです。
そうして、18回にも及ぶ交渉の末、やっとこの念願の土地を譲り受けたのです。

その交渉中、アンジェロ氏は奥様からしばしば、
「またカ・マルカンダ(望みのない交渉)にいくの?」
と呆れられていたということもあり、
このワイナリーを 『カ・マルカンダ』と名付けたとのことです。

そこまでして、この土地にこだわった理由は、
カ・マル カンダの土地がサッシカイアと
同じタイプの土壌だったことにあると言われています。
テッレ・ブルーネ(黒い土、ロームと粘土を含む)と
テッレ・キアーレ(白い土、石灰質が豊富で石や砂利)から成る個性的なテロワールは、
国際品種のワインを造るのに適していました。
特にメルロを主体としたワイン造りを行うことで、
サッシカイアとは違うボルゲリのワインの新しいスタイルを確立させたのです。

カ・マルカンダでは、[カ・マルカンダ]、[マガーリ]、[プロミス]という
3種類の赤ワインが造られていますが、
ご案内の「マガーリ」はカベルネ・フランを主体とした伝統的なボルドーブレンド。
カベルネ・フラン60%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、
プティ・ヴェルド10%のブレンドで造られています。
以前は、メルロー主体の滑らかで濃密な味わいでしたが、
2015年よりセパージュを一新。
近年ボルゲリで高い評価を得ているカベルネ・フラン主体に生まれ変わりました。

余談ではありますが、[マガーリ]と意味は、
『そうだったらいいなぁ・・』
『そうなりますように・・・』
といったニュアンスで願望を表わす言葉なのですが、
このワインこそ、アンジェロ・ガヤ氏のトスカーナにおける
ワイン造りの願望を表現しているのかもしれません。

その願望がついに現実となりましたのが、 2012年ヴィンテージ
パーカー氏主宰のワインアドヴォケイト誌で、
あのサッシカイアの93点を超える94点という高い評価を獲得したのです。

インポーターさんのお話では、 アンジェロ・ガヤ氏も来日した際、
『ついにサッシカイアを超えるワインが誕生した』と話していたほど。

そして、今回ご案内の2016年もまた ≪パーカー95点≫ ≪スペクテーター94点≫

『ブラックベリーやブラックチェリーの果実のアロマと、
バラやユーカリ、ピーマン、オレンジの皮などを伴ったフレッシュな香り。
特にフローラルなニュアンスに秀で ており、
フレッシュ感と上品さの間で見事なハーモニーを奏でます。
口に含むと熟した黒系果実の風味とともに、
きめ細やかなタンニンおよび心地良い樽香が広がります。
しっかりとした骨格、濃厚な色合い、
そして酸味やまろやかさなどが備わるエレガントな味わいです。』


カ・マルカンダ・マガーリ 2016
イタリア 赤ワイン 750ml ミディアムボディ寄りのフルボディ 辛口

女性だから、ねっ。