時と共に優しく 8

今日までの時の中でくもとの別れ、
父親の病によって早い別れその辺りから、
母親も姉妹も椋への接触も変わってきた。

それは、父親の思いでもあったのだ、
「姉妹は、いつまでも仲良くしてないといけない、
この世界で唯一血が繋がっているのは、
他にいないからと、助け合って生きて行くんだぞ」
それが最後の言葉だった。

その言葉に何かを感じた姉達も、
椋には優しくなって行ったのだ。
椋は、それが全て満たされた生活でもなかった。

幼い時に身に付いた性格じゃなく性質は1人で居る事の安らぎが根付いていた。
絵を書いたり心の中で歌う事が楽しみだった。
中学・高校と親しい友人も作ることなく自身の思いを詩に綴り、
時にあまりにも虚しく1人でカラオケに行っては、心の底から声を出した。

19歳の時に書いた。
”私は星になる”のタイトルの内容が気に入ったのか、
強志の家に出入りしていた時に強志の母親から習ったピアノで曲を付けていた。