風と香りの中で 3

3月10日 日曜日 晴れ

今日から、お互いのノートに、その時の気持ちとか、書いていこうね。
母の字だった。

長く続くように、いつまでも仲良くよろしくね。と、だけ書かれていた。
アキは、戸惑った「本当に、見てもいいんだろうか。」

両親の元で、生まれ育ててもらい、少なからず幸せを感じてる。

一度、ノートを閉じると、楽しかった子供の頃、3人で出かけた
初めての旅行の事を、思い浮かべた。

アキの、瞳から一筋の涙が流れた。
「読む、そう、読むって決めたんだから」

そう小さく呟いて、両手で顔を覆って溢れ出そうになった。
涙を、止めてからノートを、再び、開いた。

3月11日 月曜日 少し晴れ

書く事は、苦手なんだけど、頑張って書くよ。
でも、何を書けばいいんだ?と 父の字だった。

アキは、父の困った時の顔を浮かべたが
その時は、もっと若かったからアキが思ってる
表情とは、きっと違っていただろう。

暫くは、取りとめもないやり取りが、続いていた。