辺り一面真っ赤に染まる空間が広がっていた。
徐々に辺りは、暗い闇に覆われて行くと、何処からともなく女性のすすり泣く声が聞こえる、
何処を見渡しても誰も居ない、その声が近づくと共に、姿が現れて来る
「だれ?誰だよ?」後姿でも女性と判る距離に来た時に、手を差し伸べた。
すると、スッーと消えて行く。追いかけようにもここがどこか判らない。
風もなく音もないこの世界で一人取り残された星一は、虚しさの中で目覚める。
「またかよー!」連日そんな夢で目覚めていた。
「誰だ、何を訴えているんだ、なんなんだ?」薄暗い部屋の中で、
ぼんやりと天井を見つめ「まったくよ!」と体を起こした。
ベットから見える壁掛け時計は、垂直になる少し手前を指しているのが見える。
「まだ、6時前か!もう少し・・・」と思い再び体を倒したが、寝れる筈もなかった。
あの夜、二人で歩いていたのは間違いなく、あのウエイトレスだ。
大通りから左に行った先には家が一軒。
二人ともそこに入っていった様子だからまず姉妹だろう。
「何を考えてるんだ、俺は・・・。」彼女が出来たばかり、
それも来週には家に来るって言うのに、でも、何故だ?
先輩に紹介されて、それで彼女、ん!友達、ん!で結婚になるのか俺の意思は、
そっか!付き合うって決めた時点で自分の意思?
何か、おかしい おかしくないか?
好きとか嫌いとか、恋とか愛とか?何処にある?結婚?
生涯一緒に生きて行く相手だよなあー。
「わからん、なんだこの腑に落ちない自問自答は」と星一は、
今まで考えたことも思ったこともない事で頭を痛ませていた。
この広い日本に何千万と言う女性が居るのに、
出会いって?街中でぶつかっても出会いだよな、
会社で知り合っても出会いだ!
自分の意思?そっか、出会って気になる相手、
そしてあの胸が痛くなるくらいの衝撃、あれが恋か、すると俺は・・・・。
星一は静かに眠りに入っていった。
理沙は、智彦との待ち合わせで久しぶりに来た、賑やかな駅の高いビルの前で、
ピンクのダウンジャケットにジーンズと、
意外とラフな格好で嬉しそうに時間ばかり気にしてた。

