夏が過ぎ、日々過ごし易い時は、
やがて来る冬に備え辺りの木々も紅葉からやがて散って行く、
枯れ葉となる季節に風は穏やかで、
空はまさに秋晴れと言えるくらい青く雲ひとつない、
見る者全ての人々に安心感さえ与えていた。
そんな日の公園のベンチで、弥生は質問攻めに合っていた
「だからさぁー、何で別れちゃったのさぁ。」
理沙は、半ばうれしそうに尋ねた。
「判らない。ただ何となく合わないなっと、一年たってそう思ったのよ。」
弥生が俯きながらそう答えると、
「正式に別れたの?」
と覗き込んでやっぱり少しうれしそに理沙は尋ねる。
「また、寄りを戻すとか、暫く、距離を置くとか、
そんな約束なんて、まさか してないよねぇー。」
理沙は、予かならぬ返答がないようにと、弥生の隣に座った。
「もう、やめなよ!」と、反対側から真理子が制止した。
「私は、今はもう誰とも付き合わない、そう決めたんだから
智君とも、正式に別れたよ・・・・。これでいい!」と、
少し投げやりっぽく言って顔を上げた。
「何それ、これでいいって・・・。
なんかさぁー私がさぁーやよと智君が別れたらいいなぁなんて
思ってる見たいにさぁー人の不幸をさぁー そんなんじゃ ないからね。」
理沙は、少し強い口調で、自分の気持ちが気付かれないように言っては見たものの、
二人には理沙の気持ちが手に取るように判ったのがおかしかった、
特に真理子は、ムリと小さく呟やいたのだった。
遠くで、子供たちがボールで遊んでたのか、
弥生達の近くまで転がってきたのを、
小さな子がと取りに来ると、
遠くに見える相手に投げようとした。
遠くの向こうから、ムリ、、ムリ、お前にはムリだよー。
と叫んだのが、真理子は思わず、笑い出してしまった。
弥生と理沙は、真理子を不思議そうな顔をして見つめていた。
新たな風は、何処からともなく流れ何処までも行き止むこともなく、三人は歩き始めた。